感想文⑤ 山岸涼子『天人唐草 自選作品集』
こんばんは、小丸子です!
小丸子というのは、わたしの大好きな「ちびまる子ちゃん」が中国語ではそういうらしい、とさいきん知ったので、なんかええなと思い名乗っています。照
前回の読書会で、ゆひらから借りた山岸涼子さんの『天人唐草 自選作品集』のことを書きます。
わたし、漫画といえば「ちびまる子ちゃん」「あたしンち」「うちの3姉妹」だとか、ほのぼのした嬉しいやつしか、自分で買って読んだことがなくて、「こんなん…怖…つら…」と思いながら読み進めました。
これがりぼんに載ってたんや………。
わたしはちゃおっ娘なので……。(ちゃおは全ページ全力で恋をしています。)
先日、友人と「この気持ちは、ちゃおっ娘やったアンタには分からんわ、あたしりぼん読んでたもん。」という会話がありました。
子供のころに取り入れた価値観って、自分の中でけっこう大きくなるものですね。
この本のテーマについて、巻末の解説で中島らもさんが「迷い子である」と述べています。
タイトルにもなっている「天人唐草」は、「女の子/女性はこうあるべき」という価値観を押し付けられ、従おうと無理をして生きる人の話です。
その価値観を与えてきた親がいなくなった後、その人は狂気の沙汰に陥ります。
「キェー」と言いながら空港を歩いていました。
わたしは母親が結構厳しい人だったのですが、主人公の幼少期の「いい子と思われるように」と無理をする場面が、自分と重なるようでつらかったです。
あ〜自分かわいそう❗️主人公もかわいそう❗️と思いました。
つらいことを強いるだけ強いて、当の親は自分より先に死んだり、勝手に考えを改めたりして、子供の自分だけが、つらかったことを鮮明に心に残して、なにを憎んで、これから自分はどうしたらええねん…とウワアアという気持ちになりました。
主人公と同様に、わたしも迷い子です。
作品集の中のどの作品も、主人公に逃げ場や救われるところがありません。
(ひとつだけあったのですが、他の作品と比べてその結末がどういう意味を持つのか考えられていません…う〜んむずかしい)
解説で、中島らもさんも言うてましたけど、「道しるべはない、それが正しい」そうです。
強く、たのしく、健やかに生きていけるよう頑張りましょうね!!!
小丸子