山羊の小骨読書会

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感想文⑥ 植本一子『個人的な三月ーコロナジャーナルー』

こんにちは、小丸子です。 

今日は、今年20歳になった妹の、成人式の前撮りでした。

 

わたしはいちおう、年齢としては大人だと思うんですけど、まだまだ気持ちが赤ちゃんなので困っています。どうにかならんかな。

 

今日、感想文を書こうとしている本の著者、植本一子さんは、わたしの尊敬する大人の1人です。2016年に発行された『かなわない』も私にとって大切な本なので、すこしふれたいと思います。

『かなわない』では、震災直後の不安を抱えながらの生活、育児に対する葛藤、新しい恋愛…そのときどきを生活をするうえでの様々なことが、ありのままに、淡々と綴られています。

生活のことをなぞるように書かれた文章に、めちゃくちゃ心を打たれました……。

 

その、植本一子さんが、コロナだ自粛だ、でワタワタしていた今年の3月に書いておられた日記が『個人的な三月ーコロナジャーナルー』です。

 

めちゃくちゃ個人的な話ですが、わたしは今年の4月末で新卒で就職した会社を辞めたんですよね。なので、この本は転職先も決めずに退職して、世の中もワタワタしていて、なんやよく分からんがわたしどうなるんやろう、というときに手に取った本であり、思い入れがすごくある一冊です。

 

なんやよく分からんがワタワタしていたあの頃、今がワタワタしていないわけではないし、当時と今を分けて語ることがよいのかも分からないけど、当時を思い返しながら、あらためて読んでいました。

 

きわめて個人的な日記を手に取ることができて、読むことができて、わたしはとてもありがたいと思います。

 

身の回りの生活のことを「書く」ことを通して、こんなふうに残せることってすごく素晴らしいし、植本さんに書いてもらえる人たちがとても羨ましいとさえ思いました。

挿入されている写真がめちゃめちゃいいんですよね…娘さんたちの写真とかもすごくいいです。

 

この本の最後に、「書くことは暴力行為にもなりうる」と懸念したうえで、慎重に、でも正直に書きたいという旨のことが書いてありました。

大事な相手を傷つけてはいけないと、書かず、掘り下げず、していたことを、この人となら何か書けるようになるかもしれない、という内容に、ウワア…!!!!と思いました。

地に足をつけて、大切なものをちゃんと大切にしている、しようとしている人じゃないと書けないことだと思いました。

 

わたしもホンマ…ちゃんとせな……

 

「ちゃんと」ってなんやねんって感じなんですけど、ちゃんと生きたいなァ!

 

小丸子